« 天才とは | メイン | SambaでPDF失敗 »

一人歩きする言葉 [ 思想 ]

一度,飛び出した言葉は,発言者の意には従わない.
受取手がどう解釈したかに即する.
ここで,発言者と受取手の間に,意識の相違が発生すると,
すれ違いが起るわけだ.
もしも異なる解釈をされた場合,
発言者はそうではないと訂正をすることが出来るが,
それは後付であり,弁解にしかならないことを忘れてはならない.
だから,発言者は常に最良の言葉を選び,繕わなくてはならない.
そういう風に小学校で習ったはずだ.
「相手の気持ちになって考えてみなさい」と.

仮に,その解釈が自分の意とは大きく異なり,誤解であったとしても,
自分が発した言葉なのだから,誠意を持って対応しなくてはならない.
政治家は,よくそういった議論をしている.
「○○は××である.前言を撤回しなさい.」
撤回するということは,自己の責任を明確にするということだ.
ここで,責任を逃れようとする政治家は,決まってこう言うはずだ.
「記憶に御座いません」「でっち上げです」
下らない.

こうして考えると,あらゆる事象を考慮し,
怯えて発言しなくてはならないように思える.
だが,オレはそんなに気を遣ってはいない.
もちろん,多少は考えるし,多少は選ぶ.
だが,そんなに神経質にはならない.
この思想は理想論であり,現実には適合しない.
世間話も何もかもが,危うくなってしまうからだ.

だが,オレは世間話もするし,議論もするし,討論もする.
ましてや,不満を吐くし,愚痴も言う.
何故,そうできるか.
この思想によって培われ,染みついた習慣が一つ.
もう一つは,自分の言葉に責任を持っているからだ.
何かがあれば,自分の責任において,誠意を持って対応する.
当然で,当たり前で,自然なこと.
それが,最も重要なことである.
それが,礼でもあり,儀でもある.