昔話カテゴリを作りました.
9年も在籍した我が大学の思い出を語ると共に,過去を懐かしみます.
それは総じて,現状の批判になることでしょう.
オレの在籍学科は工学部電子工学科であった.
情メとは違い,2年ゼミも3年ゼミも存在していなかった.
よって,3年秋学期の卒研選択で,所属研究室が決まったのだ.
卒研エントリーも情メのシステムとは全く異なる.
我々に渡されるものは希望研究室名を記入できる用紙1枚.
我々に与えられるのは学科全体説明会と個別研究室説明会.
要するに,アナログ的な紙媒体での投票形式.
名前と希望研究室を書いて,投函.以上.単純明快.
ご存じの方も多いと思うが,オレは大條研出身である.
オレがどういったアピール活動をしていたのかを書き記そう.
学部3年にもなると,オレの名も轟くものであり,学科内でオレを知らない先生はいないほど.
そんなに目立つことをしているつもりはないんですが・・・
教科書ノート持ち込み可の試験に教科書だけを持ち込んで,
「こいつはふざけてるのか?」と先生にジロジロ睨まれながら,クラス2位の成績をたたき出してみたり,
電子工学実験でレポート提出を1週遅らせてまで,様々な内容を注ぎ込み,
常識的に考えて,まず出ることは有り得ない100点を獲得したり・・・
おかしいなぁ・・・
そんなこの頃はオレもまだ控えめだったので,学年順位は5番.
まだまだ,メジャーとはいえない.
なのに,どの先生もオレを知っている.
何故だ?イケメンだからか?(間違いなく違う)
さて,研究室説明会が始まる前から,大條研に入る気満々でした.
というか,それ以外なんて,アウトオブ眼中(死語)
でも,大條先生の授業は1年春のプログラミングと2年春のコンピュータ工学だけ.
2年実験も3年実験もクラス分けの関係で,大條先生に巡り会えなかった.
自分が有名な存在であると思うなんて,そんな自惚れは自意識過剰.
「これは猛アピールをしなくては!」
そう考えたオレが何をしたのか.
週5日中,大條先生と話す日は5日.
担当授業がないにも関わらずだ.
どうやるか?
簡単である.
実験室の前で待ち伏せても良いし,研究室前で待ち伏せでも良い.
肝心なことは,スケジュールを把握することである.
幸運なことに,電子工学科には工学実験があり,それには学科所属の先生が総出なのだ.
工学実験は週3回(3クラス分)あるので,非常に捕まえやすい.いいことだ.
そうやって,どうにかこうにか,捕まえる.
ここで重要なことは,偶然を装うことだ.
研究室に突入してしまっては,求めていることがありありと伝わってしまう.
偶然に出会うことが必要なのだ.一目惚れ理論.
そして,挨拶は重要だ.
挨拶ここから→「こんにちは.9jee3220の柿崎です.大條研希望です」←挨拶ここまで
ゼミ説明会でも言ったように,顔と名前が一致することは大変重要なことです.
コネってそういうものでしょ?
そんな活動を続けていたある日,大條先生がこう漏らした.
「もうあれさー.君はしつこいから取ろうと思ってる」
勝利の瞬間である.
ここまで派手に行動する学生はあまりいないが,似たような活動をしている学生は大勢いた.
類似として,希望研究室に入り浸るという学生もいた.それはそれ.
兎にも角にも,共通することは,顔と名前を覚えてもらい,事前に確約を取り付ける.
これが必勝法であり,当たり前だった.
こういった時代を体験している身としては,今の学生の無気力さ加減が理解できない.
まず,名乗らない.お前は誰だ.
どんなに顔を覚えられても,名前が分からなければ,取れない.知ればいいのに.
次に,やり口がスマートすぎて,汚くない.
遮二無二になれないのに,本当にその研究室に入りたいと言えるのか?
最後に,何故選んでもらおうと思うのか.
選んでもらおうなんてパッシブな考え方は捨ててしまえ.
選んでもらうのではなく,選ばせる.
やるならとことん,最後まで.