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昔話 アーカイブ

2007年07月08日

研究室配属

前々から疑問に感じてはいたんだけど,昨日色々とあって思い出したから,書く.

オレが卒研に配属された頃,配属決定後に「集まりなさい」という連絡を出す先生と出さない先生がいた.
出す先生は「○月×日△時限目に研究室へ集まりなさい」という掲示.
単純であり,明らか.わかりやすい.
しかし,連絡を出す先生と出さない先生,どちらが多いかといえば,出さない先生が多い.
これは何故か.

連絡を出す先生は物性系の先生であり,引継等を含めて,素早く確実に配属者を集めたかったのだ.
卒研配属後(要するに7セメになってから)に装置の説明や使い方をしたのでは,遅すぎる.
7セメ開始直後から実験が出来るように,予めある程度の勉強をさせておきたいのだ.

では,連絡を出さない先生は一体なんのか.
卒研配属の学生を一堂に会して説明する必要がない先生は連絡を出さないのだ.
単純なことである.
常識的に考えて,配属決定されたのであれば,挨拶に行くのは当たり前のこと.
だって,取ってもらったのに挨拶もしないなんて,どんなに失礼な行為ですかと.
そんな条件下で挨拶に来ないような学生は放って置かれちゃうんです.
だから,敢えて連絡をする必要性がないのだ.
もう既にそこで差が出るのだから.

オレは配属決定後の5時限目(というか実験から帰ってくる先生を待ち伏せ)に伺った.
ご挨拶をして,社交辞令的に(ぇ)「卒研までに勉強しておくことはありますか?」って聞く.
すると,「別にないさー」と言いながら,紙資料を差し出してきた.
それはIEEE CSの英論文で,3層パーセプトロンについて述べた(解説?)論文だった.
「とりあえずガイダンス後にここに集まって.ゼミはこれを使うから,読んでおくといいさー」って.
要するに,挨拶にくることを含みに,資料をちゃんと準備していたのだ.
そんなオレの学部時代.

情メはどうなのだろうか?
そのような光景を見かけたことがないのだが,それはオレの研究室在室率が低いからだろうか?
オレ推薦で突っ込んだ学生には,研究室に連れて行きがてらに,
「先生に挨拶していけば?」と壮絶に遠回しにチクチクするのだが,
「あーそうですね」という返事が返ってくる.
「もちろんそのつもりです」なんて返事は聞いたことがない.

ゼミエントリ中は前向きにアピール.
ゼミ配属後はやる気減退.
研究室説明会でオレが述べた通りのことが再現されないことを期待したい.
再現したところで,呆れるだけで,驚きませんが.

2007年07月05日

授業の思い出3

時間がある休日は,博論を書くためではなく,ブログを書くためにある.
名言っぽく言ってみたけど,単なる現実逃避.


複素関数論 専門科目選択4単位
素晴らしき川辺マジック第1弾.
ノートはA4キャンパスノートをほぼ強制.1冊だけでかいノートだよ!
「記憶には印象が必要だ」という信念があるらしく,たまに名言を吐く.
「あっ!電車が来た!・・・・・・まだ来ていない.これから来るんです」
「川は流れない.川を構成している水が流れているんです」
テーラー展開の話で「テーラーは服屋さん」
「手紙?手紙は中国語でトイレットペーパーです」
どれもこれも強烈だ.

応用数学 専門科目選択4単位
素晴らしき川辺マジック第2弾.
新婚旅行は定山渓に行ったらしいのだが,千歳空港からタクシーで行ったらしい.
首が痛いからけん引器具を買おうとしたらしい.
その時に言った言葉が「首を吊る道具」らしい.
そんな応用数学.話の中心は期末試験.
「でそうだよなぁ」とは思いながらも,「こんな難しい問題は出ないだろう」と高を括ったFFT.
まぁ,見事に出ましたよね.
しかも,問題が強烈.

(3) 2基底FFTアルゴリズムにおいて,第p段目の変換の様子を示せ.
(4) N=8における2基底FFTアルゴリズムの変換過程をすべて示せ(記憶番地のbit reverseの様子も示せ).

そんな試験中,先生がスゴイものを配り始めた.
「今から配る紙を見るも見ないも皆さんの自由です.計算用紙にでも使ってください」
って!それ答えですからぁ!!
厳密に言えば答えではないのだが,N=16における2基底FFTの適用例が書かれたA4の紙.
要するに,分かる人はこれで分かるのだ.
配られたらニヤニヤしてる人とポカーンとしてる人に,完全に二分された.
勉強してきたかどうかが,一目で分かってしまった一瞬.素晴らしい洞察.

波動理論 専門科目選択4単位
午前は量子力学,午後は波動理論.そんな不憫な木曜日の午後.
波動理論の勉強をした記憶はほとんどございません.
そう,この時間は量子力学のまとめと復習をしておりました(ぉ
中間試験は「あれ?ここ中学校?」っていうレベルの問題.
単位系を理解していれば,どの問題も簡単に解けてしまう程度.
その結果を見た先生がこういった.
「ちょっと簡単すぎましたね.期末は差が付く問題にします」
その期末試験がすごい!
波動理論ですから,期末頃になるとマクスウェル方程式が出てくるわけですが,
この期末試験が難しすぎて,みんなポカーン.
あれほどまでに,中間と期末のギャップがあった科目は,これだけだ.

量子力学 専門科目選択4単位
大本命登場.電子工学科で受けたい授業No.1!(オレ調べ)
工学実験を除けば,一番勉強した科目.しかも,断トツ(断然トップの略).
これも春秋両開講なのだが,春は伝説が残っている.
ガイダンス日には教室に溢れんばかりの100名近くが来たそうだ.
みんな量子力学を勉強したんだよねっ!
翌週,30名に激減.
どうもガイダンスを聞いて諦めた人が続出らしい.
「最後まで受講できた人は単位が出ると思います」
と言ったらしい.何かを暗示している.
最終的に生き残ったのは10名強だったようだ.
その後の秋学期に受講したのだが,噂が流れまくってて,ガイダンスに来た人は精鋭揃い.
最初から10名程度しかいなかった.

授業は大変に楽しかった.期待通りと言える.
「本当の光の白」と「本当の光の黒」を見せてくれたり,プリズム分解をしたり,
中国の元素周期表がスゴイ!って話をされたり,熱の移動は電子の移動であることを実演したり・・・
とにかく,伝説的な授業である.受講しなかった人たちは悔しい思いをすればいいと思う.
なお,「本当の光の黒」を我々に示すために,ある実験道具を購入しようとしたのです.
その先生は購入に際して,職務質問を受けたそうです.無茶しやがって.

期末テストは7問出題.
全ての問題は冬休み前に知らされており,教科書・ノート等のあらゆる持ち込みが可.
しかも,試験時間は1,2時限ぶち抜きの3時間.
さらにさらに,
「問7は試験中には解き終わらないと思うので,レポートにまとめて提出してください」
だそうです.
この問7は量子力学を学んだことがある人ならわかると思うが,
「3次元直交座標系ラプラシアンの3次元極座標系への変換」である.
この頃,まだTeXを知らなかったので,Wordで作成したのだが,A4で7ページ.
TeXで作り直したいのだが,そんな気力が起きるような数式ではない.

070705_01.JPG
070705_1411~0001.jpg
この写真は量子力学のまとめノートである.
この他に,授業用ノートとプリントファイルと教科書がある.
あれ?情メってノート使うんだっけか?

2007年06月29日

授業の思い出2

ペースが上がらないから,現実逃避.


プログラミング 専門科目選択2単位
電子工学科唯一のパソコンを利用する授業.
電子工学実験でコンピュータを使うが,パソコンではなく,マイコン.
担当教員はもちろん大條先生.
オレの記憶が確かならば,授業らしい授業をされた記憶はない.
常に実習時間だったような気がする.
要するに,自学自習して,分からないところを質問するという自己解決型の勉強方法.
なお,この授業は半分も出席していないと思う.
最初の数回で教科書(あの手作りのヤツ)に載っている全ての問題をやり尽くしてしまい,
その後は友達が「教えて!」って言ってきたときにだけ,授業に行ってました.
期末テスト一発だったので,ドキドキでしたが,開始数分で終わってしまいました.
もちろん,満点の自信が100%.間違えようがない.
なお,試験問題は情メのプ実の数倍は難しいですよ.えぇ.

電子デバイス基礎論 専門科目選択4単位
ある意味,鬼門.オレは馬が合わない.考え方が合わない.
出席の取り方が非常に厳密で,有無を言わせない.
躾にも厳しく,そういう意味では口うるさくて古くさい,良い先生.
中間試験は教科書と直筆ノートの持ち込みが可.
一般的に,持ち込み可のテストって,持ち込んだものが役に立たないから持ち込み可なんですよ.
そんなオレは教科書のみで試験を受けていた.
そうしたら,先生がジロジロと覗き込むように見てきた.
「なんだこいつは.ちゃんとノートをまとめて来なかったのか?ダメなヤツだ」みたいな目で.
結果は差のないクラス2位.100点満点で60点チョイ.上出来すぎ.
まぁ,そんなオレの態度が相当気にくわなかったんだろうね.
未来の卒研生を確保するべく,研究室見学と題して,
授業後に成績優秀者を呼び出してたけど,オレは呼ばれなかったよねw
相性が悪くたって,勉強はするもの.

線形回路 専門科目選択4単位
学科開講科目を全て受講するのが目標だったので,この科目は8セメに受講した.
そのため,学番を見た先生が哀れみを込めてこういった.
「今回は取れるように頑張ろうね」
オレ,初受講なんですが・・・
規格外の再履修者の誕生である.
科目自体は3セメ開講科目なので,内容的にはお茶の子さいさい.っていうかラプラス変換.
演習問題が出るのだが,サササッと解いて持って行くと,先生は学番を見てこういう.
「去年と同じ問題だから,覚えちゃったか」
いやいやいや.初受講ですから.
これはこれで面白かったので,最後の方まで素性を伏せてみた.

集積回路設計 専門科目選択4単位
pnpやnpnの作り方とか,MOSがどうのこうのとか,ドープドープ!な授業.
ソーラーカー絡みで派手な休講があったため,派手な補講があった.1~4限補講.
この補講が楽しかった.
「毒ガスの致死量が載ってるってことは試してる」とか,
「空気中に微量に存在するだけで死に至る毒ガスの臭いが書いてあるのは偶然生き残った人の証言に基づいている」とか,
「ソニータイマーの正体はコンデンサ理論」とか,
「燃費の良い車の走らせ方」とか,
完全に授業と関係がない話が素晴らしく楽しかった.
授業で最も重要なのは,脇道トークですよね.

授業の思い出1

昔話第3弾.
今回は授業の思い出.きっと,何回かに分けることになるだろうから,思い出1としておく.
こんなのを書いてるところを見ると,コイツ,博論に行き詰まっているようだ.


物理学 専門基礎科目必修4単位
素敵すぎて素敵すぎて,血反吐がでるぜ.
クリスマス1~4限補講を開催してくれた授業である.いいプレゼントだ.
そんなクリスマス補講で何をやったかって?
共振とうねりで吊り橋が崩壊するビデオを見せられた.それだけ.
うはw
冬休みの宿題も素敵だった.
題目「戦争と理工学と私」という小論文,恐らく1200字.
授業と関係ねぇぇぇぇ!!文学かってーの!
なお,期末テストは無茶苦茶に難しかったです.
空中に自由に固定された円柱の側面に弾丸を時速v[km/h]で打ち込んだとき,
円柱が得る角回転速度を求めろとか,なんかそんな感じ.
とりあえず,計算式は書いておいた.

基礎電気回路・同演習 専門科目必修4単位
必修科目だから,取らないと卒業できないシリーズ!
もうウチの大学にはいないから,言っても平気だろうし,みんな知ってることだし.
金曜3,4限の授業なのだが,4限目に先生はいない.
いるのは院生だけ.
その時間は演習問題として出されたたった1問を解く時間.
まぁ.全然解けませんよね.
だってさ,並列の合成抵抗の計算方法を習っただけなのに,演習問題は抵抗が網目状になってるんだよ?
そんな理不尽極まりない問題を一致団結して解く時間.マジで.
ソロで解けるヤツなんか,授業を取りに来てくださるな!
最後に院生がボソっという「こうやれば簡単なのに」って.
あああああああああああああああああああああ.
1セメの授業ですよ☆

基礎電気磁器学・同演習 専門科目必修4単位
鬼門.完全に鬼門.登竜門とはいえない.地獄の始まり.2セメの科目.
16号館5階のでかい部屋でやるのだが,満員ですよね.
記憶が確かならば,基礎電磁気は3クラス開講だった気がするのだが・・・
3クラス開講なら,学年230人なので,1クラス80人程度?
あの教室が満員になるなんて,有り得ないですよね?
何故ならば,この科目の合格率は毎度3割だから,オーバーエイジが大量発生なのだ.
しかも必修科目だから,取れないから逃げ出すなんていう選択肢はない.
戦い続けるのだ.うはw
しかも,この科目は春秋両開講なのにもかかわらず,この人数.素敵すぎる.
内容は面白くないから,説明しない.
「半径rの球面上に電荷が面密度σで一様に分布」してたり,
「電荷qが無限遠点pに及ぼす力」とかね.

電気電子計測 専門科目選択4単位
選択なんだから取らなければ良いという物言いは認められない.
開講されている全科目を履修するのが目標だったから.
そんなことをしているから,教職課程をやってないのに,176単位も取ってしまうんだ.
閑話休題.
何の科目かといえば,ブリッジ回路の平衡をひたすら計算したり,
単位系の話を延々と聞かされたり,肉屋の目方に物言いを付けたり,
「誤差が誤差が」という話をする授業.意味わからんだろ?オレもわかんなかった.
中間テストが素晴らしかった.
オレ,会心の出来だった.もちろん,クラストップの点数だった.
100点満点で42点45点ですよw
もうね.我が目を疑うよね.
会心の出来のハズなのに,あっちこっちに△とか×が付いてるの.
まぁ.○なんて1つもなかったよねw


200707051503追記:
電気電子計測の答案が見つかりました.
070705_02.JPG
45点でした.

1週間の始まりは金曜日だった

昔話は楽しい.昔話第2弾.
工学実験について.

一般的なカレンダーは日曜日始まりか,月曜日始まりだろう.
オレの学部3年は金曜日始まりだった.
そう.工学実験が木曜日にあったからだ.

基本的に,1週間の基本サイクルは工学実験が中心である.
何を差し置いてでも,工学実験が中心である.
週2コマ2単位必修科目.
工学実験に捧げる時間は,1週間=168時間中およそ40時間.
これほどに割の合わない科目は,情メには存在しない.
どれ程に生温い環境で育っているのかを思い知ればいい.

工学実験は基礎工学実験とは違い,2週間で1テーマである.
そのため,1週目に休むと2週目に参加できないし,2週目に休むとレポートが書けない.
よって,工学実験を休む人は,休むなら2週連続で休むことになる.
そのため,実験テーマは半期5テーマで,補習分を確保する必要性があるのだ.

工学実験における時間の流れを説明しよう.
1週目の実験が行われる.
これは基礎的な実験であり,テーマにおける基礎理論の確認ともいえる実験を行う.
それを踏まえた上で,2週目に本実験を行う.
実験レポートの提出は実験終了の翌週が期限であるが,1度の再提出が認められている.
これはどういう意味か.
実験終了翌週に実験レポートを提出するのだが,低水準なレポートについては突き返すという意味だ.
具体的にいえば,60点未満のレポートは突き返される.
再提出になった方が,1週間の猶予ができるじゃないかと考えたあなたは,幸せ太り.
そのテーマの実験レポートについては猶予が出来るが,次の実験は待ってくれない.
要するに,2テーマのレポートを並行的に扱うことになる.
これがどうにもこうにも無理難題.
これを繰り返すと,後半戦に向けて,どんどんジリ貧になっていく.

さて,レポートの提出について述べよう.
レポート提出は授業開始前30分から授業開始直前まで受け付けられているが,
それ以外の時間帯の提出は一切受け付けられない.
レポート提出の遅延は1週間毎に減点される.10点減点だったような気がするが失念.
なお,再提出勧告の翌週提出分は減点されない.当たり前.


そろそろ素敵な1週間の過ごし方をお教えしよう.
実験日の木曜日は実験をするだけに費やす.
工学実験は午前中2コマで行われるので,午後に授業を入れないのが通説.
実際,通常カリキュラムを構成すれば,午後に授業が入らないようになっている.常識.
単位を落としたり,休みを作ろうとすると,この限りではない.
多くの学生は実験日前日に徹夜をしているので,実験終了後は帰宅して休養する.
オレも例には漏れない.徹夜はしていないが.

金曜は普通に授業があるので,内職(ぉ)したり,なんだりで,
誰が書いても違いが出ない実験目的や理論,実験器具等をレポートにする.

土曜日は登校したり,しなかったりする.
みんなでレポートをやろうということになれば,図書館に集結してやったりもした.
図書館に集まらないとレポートは書けません.
資料が揃ってる場所じゃないと,とてもじゃないけどレポートは書けない.
インターネット?はぁ?なにそれ?おいしいの?
情報量も質も,まだまだ図書館の蔵書には及ばない時代でした.
なお,携帯電話とICQ(まだMSNメッセではない)は必携装備ですね.
日曜日は自宅でレポートをまとめることが多い.

月~水は授業があるので,班員にあうこともあり,実験データの検討をする.
足りない情報を補完したり,明らかなデータ採取ミスや実験不足に対し,
他班のデータを自班にあうように流用したりするのです(ぉぉ?
まぁ,オレの班は提供する側なんですけどね.優秀ですから.

木曜日,2週目の実験を行う.帰って寝る.
以下,おおよそ同様のスケジュールが繰り返される.
基本的に,帰宅後はレポートを書いている.
そして,次テーマ実験日前日は,ICQが「はっほー」「はっほー」いいすぎw
2時過ぎくらいまで,ああじゃないこうじゃないってやってます.
オレは教える側なんですけどね.
たまに,あれ?っていう指摘をされて,直してたりねw


ところで,皆さんは何か違和感を感じないだろうか.
こういった1週間を過ごすわけだが,何か違和感がないか?
そう,他の科目の勉強はいつやっているのか.
そうです.時間を作れないので,やらないのです.
でも,勉強をしないで付いていけるほど甘い授業はありません.
では,どうするか?
オレは授業中以外には極力勉強をしなかった.
授業中に習ったことは授業中に理解して,忘れないように帰る.
これだけ.
これ,最強の勉強方法.最も高効率.
だから,あんまりテスト勉強というものをやったことがない.
仕方ないからカンペを一生懸命に作っていました.最も高効率.

このような感じで工学実験をやっていました.
前述したように,レポートをためるとキツイので,再提出にならないクオリティを維持しました.
しかし,たったの1度だけ再提出をしたレポートがある.
それが常識的に考えて有り得ないはずの100点を獲得したレポート.
このレポートの検討事項が,実に挑戦的だったのだ.
「赤外線と紫外線について」
たったこれだけ.これしか書いていなかった.
これは圧倒的な力の差とオレの姿勢を見せつけなくてはならないと思った.
そこで,1週目は再提出になるようなレポートを出した.
決して手を抜いたわけではない.
書いたレポートの全てを提出しなかったのだ.
60点以下になるように,必須事項のページを抜いて提出し,再提出を獲得.
計画通り.
そして2週目に渾身の一撃を放ったのである.
なお,この方法を使ったのは,オレが知る限り,その年はオレともう1人だけ.
そいつはきっと一流の回路屋として,バリバリ働いてるんだと思います.
そいつには勉強で負けると思うことは1度もなかったが,知識とスキルでは負けることが多かった.
スゲーやつですよ.ああいうのを本当の意味でマニアっていうんだよ.きっと.

今の情メ生が受講したら,2週目で死んでしまうと思います.
工学実験を取ろうと思ったら,24単位中22単位を落とすかもね.
工学実験こそ工学の醍醐味なのに,
工学実験を受けることなく工学の学位が取得できてしまう情メって,
ものすごい損をしているって,感じませんか?
自分の実力を発揮する場も見せつける場もない情メって,つまらなくないですか?

2007年06月28日

オレの卒研選択の思い出

昔話カテゴリを作りました.
9年も在籍した我が大学の思い出を語ると共に,過去を懐かしみます.
それは総じて,現状の批判になることでしょう.


オレの在籍学科は工学部電子工学科であった.
情メとは違い,2年ゼミも3年ゼミも存在していなかった.
よって,3年秋学期の卒研選択で,所属研究室が決まったのだ.

卒研エントリーも情メのシステムとは全く異なる.
我々に渡されるものは希望研究室名を記入できる用紙1枚.
我々に与えられるのは学科全体説明会と個別研究室説明会.
要するに,アナログ的な紙媒体での投票形式.
名前と希望研究室を書いて,投函.以上.単純明快.

ご存じの方も多いと思うが,オレは大條研出身である.
オレがどういったアピール活動をしていたのかを書き記そう.

学部3年にもなると,オレの名も轟くものであり,学科内でオレを知らない先生はいないほど.
そんなに目立つことをしているつもりはないんですが・・・
教科書ノート持ち込み可の試験に教科書だけを持ち込んで,
「こいつはふざけてるのか?」と先生にジロジロ睨まれながら,クラス2位の成績をたたき出してみたり,
電子工学実験でレポート提出を1週遅らせてまで,様々な内容を注ぎ込み,
常識的に考えて,まず出ることは有り得ない100点を獲得したり・・・
おかしいなぁ・・・

そんなこの頃はオレもまだ控えめだったので,学年順位は5番.
まだまだ,メジャーとはいえない.
なのに,どの先生もオレを知っている.
何故だ?イケメンだからか?(間違いなく違う)

さて,研究室説明会が始まる前から,大條研に入る気満々でした.
というか,それ以外なんて,アウトオブ眼中(死語)
でも,大條先生の授業は1年春のプログラミングと2年春のコンピュータ工学だけ.
2年実験も3年実験もクラス分けの関係で,大條先生に巡り会えなかった.

自分が有名な存在であると思うなんて,そんな自惚れは自意識過剰.
「これは猛アピールをしなくては!」
そう考えたオレが何をしたのか.

週5日中,大條先生と話す日は5日.
担当授業がないにも関わらずだ.
どうやるか?
簡単である.
実験室の前で待ち伏せても良いし,研究室前で待ち伏せでも良い.
肝心なことは,スケジュールを把握することである.
幸運なことに,電子工学科には工学実験があり,それには学科所属の先生が総出なのだ.
工学実験は週3回(3クラス分)あるので,非常に捕まえやすい.いいことだ.

そうやって,どうにかこうにか,捕まえる.
ここで重要なことは,偶然を装うことだ.
研究室に突入してしまっては,求めていることがありありと伝わってしまう.
偶然に出会うことが必要なのだ.一目惚れ理論.
そして,挨拶は重要だ.
挨拶ここから→「こんにちは.9jee3220の柿崎です.大條研希望です」←挨拶ここまで
ゼミ説明会でも言ったように,顔と名前が一致することは大変重要なことです.
コネってそういうものでしょ?

そんな活動を続けていたある日,大條先生がこう漏らした.
「もうあれさー.君はしつこいから取ろうと思ってる」
勝利の瞬間である.


ここまで派手に行動する学生はあまりいないが,似たような活動をしている学生は大勢いた.
類似として,希望研究室に入り浸るという学生もいた.それはそれ.
兎にも角にも,共通することは,顔と名前を覚えてもらい,事前に確約を取り付ける.
これが必勝法であり,当たり前だった.

こういった時代を体験している身としては,今の学生の無気力さ加減が理解できない.
まず,名乗らない.お前は誰だ.
どんなに顔を覚えられても,名前が分からなければ,取れない.知ればいいのに.
次に,やり口がスマートすぎて,汚くない.
遮二無二になれないのに,本当にその研究室に入りたいと言えるのか?
最後に,何故選んでもらおうと思うのか.
選んでもらおうなんてパッシブな考え方は捨ててしまえ.
選んでもらうのではなく,選ばせる.

やるならとことん,最後まで.