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1週間の始まりは金曜日だった [ 昔話 ]

昔話は楽しい.昔話第2弾.
工学実験について.

一般的なカレンダーは日曜日始まりか,月曜日始まりだろう.
オレの学部3年は金曜日始まりだった.
そう.工学実験が木曜日にあったからだ.

基本的に,1週間の基本サイクルは工学実験が中心である.
何を差し置いてでも,工学実験が中心である.
週2コマ2単位必修科目.
工学実験に捧げる時間は,1週間=168時間中およそ40時間.
これほどに割の合わない科目は,情メには存在しない.
どれ程に生温い環境で育っているのかを思い知ればいい.

工学実験は基礎工学実験とは違い,2週間で1テーマである.
そのため,1週目に休むと2週目に参加できないし,2週目に休むとレポートが書けない.
よって,工学実験を休む人は,休むなら2週連続で休むことになる.
そのため,実験テーマは半期5テーマで,補習分を確保する必要性があるのだ.

工学実験における時間の流れを説明しよう.
1週目の実験が行われる.
これは基礎的な実験であり,テーマにおける基礎理論の確認ともいえる実験を行う.
それを踏まえた上で,2週目に本実験を行う.
実験レポートの提出は実験終了の翌週が期限であるが,1度の再提出が認められている.
これはどういう意味か.
実験終了翌週に実験レポートを提出するのだが,低水準なレポートについては突き返すという意味だ.
具体的にいえば,60点未満のレポートは突き返される.
再提出になった方が,1週間の猶予ができるじゃないかと考えたあなたは,幸せ太り.
そのテーマの実験レポートについては猶予が出来るが,次の実験は待ってくれない.
要するに,2テーマのレポートを並行的に扱うことになる.
これがどうにもこうにも無理難題.
これを繰り返すと,後半戦に向けて,どんどんジリ貧になっていく.

さて,レポートの提出について述べよう.
レポート提出は授業開始前30分から授業開始直前まで受け付けられているが,
それ以外の時間帯の提出は一切受け付けられない.
レポート提出の遅延は1週間毎に減点される.10点減点だったような気がするが失念.
なお,再提出勧告の翌週提出分は減点されない.当たり前.


そろそろ素敵な1週間の過ごし方をお教えしよう.
実験日の木曜日は実験をするだけに費やす.
工学実験は午前中2コマで行われるので,午後に授業を入れないのが通説.
実際,通常カリキュラムを構成すれば,午後に授業が入らないようになっている.常識.
単位を落としたり,休みを作ろうとすると,この限りではない.
多くの学生は実験日前日に徹夜をしているので,実験終了後は帰宅して休養する.
オレも例には漏れない.徹夜はしていないが.

金曜は普通に授業があるので,内職(ぉ)したり,なんだりで,
誰が書いても違いが出ない実験目的や理論,実験器具等をレポートにする.

土曜日は登校したり,しなかったりする.
みんなでレポートをやろうということになれば,図書館に集結してやったりもした.
図書館に集まらないとレポートは書けません.
資料が揃ってる場所じゃないと,とてもじゃないけどレポートは書けない.
インターネット?はぁ?なにそれ?おいしいの?
情報量も質も,まだまだ図書館の蔵書には及ばない時代でした.
なお,携帯電話とICQ(まだMSNメッセではない)は必携装備ですね.
日曜日は自宅でレポートをまとめることが多い.

月~水は授業があるので,班員にあうこともあり,実験データの検討をする.
足りない情報を補完したり,明らかなデータ採取ミスや実験不足に対し,
他班のデータを自班にあうように流用したりするのです(ぉぉ?
まぁ,オレの班は提供する側なんですけどね.優秀ですから.

木曜日,2週目の実験を行う.帰って寝る.
以下,おおよそ同様のスケジュールが繰り返される.
基本的に,帰宅後はレポートを書いている.
そして,次テーマ実験日前日は,ICQが「はっほー」「はっほー」いいすぎw
2時過ぎくらいまで,ああじゃないこうじゃないってやってます.
オレは教える側なんですけどね.
たまに,あれ?っていう指摘をされて,直してたりねw


ところで,皆さんは何か違和感を感じないだろうか.
こういった1週間を過ごすわけだが,何か違和感がないか?
そう,他の科目の勉強はいつやっているのか.
そうです.時間を作れないので,やらないのです.
でも,勉強をしないで付いていけるほど甘い授業はありません.
では,どうするか?
オレは授業中以外には極力勉強をしなかった.
授業中に習ったことは授業中に理解して,忘れないように帰る.
これだけ.
これ,最強の勉強方法.最も高効率.
だから,あんまりテスト勉強というものをやったことがない.
仕方ないからカンペを一生懸命に作っていました.最も高効率.

このような感じで工学実験をやっていました.
前述したように,レポートをためるとキツイので,再提出にならないクオリティを維持しました.
しかし,たったの1度だけ再提出をしたレポートがある.
それが常識的に考えて有り得ないはずの100点を獲得したレポート.
このレポートの検討事項が,実に挑戦的だったのだ.
「赤外線と紫外線について」
たったこれだけ.これしか書いていなかった.
これは圧倒的な力の差とオレの姿勢を見せつけなくてはならないと思った.
そこで,1週目は再提出になるようなレポートを出した.
決して手を抜いたわけではない.
書いたレポートの全てを提出しなかったのだ.
60点以下になるように,必須事項のページを抜いて提出し,再提出を獲得.
計画通り.
そして2週目に渾身の一撃を放ったのである.
なお,この方法を使ったのは,オレが知る限り,その年はオレともう1人だけ.
そいつはきっと一流の回路屋として,バリバリ働いてるんだと思います.
そいつには勉強で負けると思うことは1度もなかったが,知識とスキルでは負けることが多かった.
スゲーやつですよ.ああいうのを本当の意味でマニアっていうんだよ.きっと.

今の情メ生が受講したら,2週目で死んでしまうと思います.
工学実験を取ろうと思ったら,24単位中22単位を落とすかもね.
工学実験こそ工学の醍醐味なのに,
工学実験を受けることなく工学の学位が取得できてしまう情メって,
ものすごい損をしているって,感じませんか?
自分の実力を発揮する場も見せつける場もない情メって,つまらなくないですか?