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ネット通信制限が容認される方向で [ 記事 ]

東京新聞:ネット通信制限 容認 総務省、混雑時の対策に:経済(TOKYO Web)

前々から議論が出ていたけど,なかなかエントリーにするチャンスがなかった.
そろそろ戯言をしれっと無知晒しの如くに書いておく.

また、通信回線を整備する通信事業者やISPは、USENをはじめとする映像配信事業者を「通信回線のただ乗り」と批判、利用実態に見合ったコスト負担を求めてきた。

この議論がオレにはサッパリ理解できないのだが,どこが「ただ乗り」なんだ?
USENのようなコンテンツ配信業者がISP接続料や回線使用料を払ってないとでも言いたそうな論調.
そんなわけないよね.
YouTubeの回線コストは月間100万ドルだそうですよ.
ニコニコ動画の回線コストについてはこちらがまとめている
年間で3億円くらいらしい.
十分にペイしていると思うのだが,不十分なのか?
というか,そもそもそういう契約になっているのだから,とやかく言われたくないよね.

で.要するにISPは「ウチのトラフィックが消費されてるけど,金が入ってこねーぞ!」と言いたいんだろう.
気持ちは分かるが,それはコンテンツ配信業者の所為ではなく,利用者の所為だろう.
いやいや.本を正せば,最大100Mbpsを謳って,大量のユーザを抱えているからだろう.
もっと本を正せば,貧弱バックボーンの零細ISPがブロードバンドを謳って,顧客を乱獲したのが問題だ.
自分のところで捌ききれないユーザを抱えているのが悪い.
儲けたいのならば,ISP料金を上げるなり,回線を締め出すなり,すればいい.
それによって,利用者がどうなるかは知らないが.


報告書では、一部の利用者による大容量データ送受信でネットが混雑した場合は、他の利用者の通信速度低下を防ぐため、通信事業者が「緊急避難的に通信を制限することも社会的に許容される」とした。

これもよく分からない.
NGN的なQoSでは実現できないことなのか?
いや,NGNが危ういって気もするけど・・・
問題になるのはこの締め方だと思う.

多くのプロバイダはブロードバンド回線に対して「最大×Mbps」「ベストエフォート」と書いているだろう.
問題になるのは「ベストエフォート」の方である.
「ベストエフォート」は「性能や品質は保証しないが,可能な限り最善を尽くす」という意味だ.
だが,通信制限を行う目的はなんなのか?
回線品質の維持ではないのか?
そもそも「ベストエフォート」を謳うならば,「ベストエフォート」を目指していただきたい.
ISPは「ベストエフォート」を「最大通信速度がでなくてもごめんなさいね」という意味で使っている(らしい).
利用者から見れば「ベストエフォート」は「帯域の許す限り利用できる」と解釈したい.
例えば,100Mbps回線を複数人でシェアするなら,可能な場合には100Mbpsが利用できると解釈したい.
もっと言えば,ISPのバックボーンの最大帯域は全てのISP利用者に分配されるべきだ.
ベストエフォート的に.
もしも,通信制限によって,ISPのバックボーンに空き帯域が生まれるのならば,
それはベストエフォート的にエフォートが足りないと思われる.


まとめ
よく分からないけど,従量課金とか,携帯みたいに時間毎の料金プランとか,テレホタイムとか,
そういう利用料徴収方式に替えちゃえばいいじゃないですか.
完全に退化ですけどね.
もっと言えば,PCからのネットユーザが激減するかもね.
現に,携帯からのネット利用者が爆増中だし.
さてさて,どうなることやら.
続きはWebで!