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TeXという選択肢 [ 研究 ]

紀要論文を投稿することになっているのだが,前述の通り,Wordのテンプレートを渡された.
これとは別に,投稿原稿作成要領というものがある.
しかし,この投稿原稿作成要領というものがいけない.

投稿原稿作成要領には投稿原稿の形式が事細かに指定されている.
それこそ,英文はTimes New Romanだ,14ポイントだ,などなど.
だが,おかしいんだ.
投稿原稿作成要領それ自体が,投稿原稿の形式を守っていないんだ.
不可思議極まりない.
しかも,節や項などの見出しに対する書式が指定されていない.
事細かに形式を指定しているのに,見出しの書式を指定しないのは何故だろう.

さらに言及.
投稿原稿作成要領とWordのテンプレートを見比べると,
どう考えてもWordのテンプレートは投稿原稿作成要領に従っていない.
具体例を挙げよう.
和文表題はゴシックと指定されているが,
テンプレートでは明朝体が割り当てられている.
Abstractはゴチック(ゴシックとゴチックを使い分けてる理由がわからない)の指定だが,
Times New Romanが割り当てられている.
本文は9ポイントで書くという指定だが,テンプレートは8ポイント.
8ポイントなんて,信じられません.
そして,何がおかしいって,フォントがおかしい.
明朝体にはDF平成明朝体W5っていう標準では入っていないフォントが指定されている.
ゴシック体にはDF平成ゴシック体W5が指定されている.
結果,私の環境では両方共にMS明朝が割り当てられる.
このままカメラレディ用に紙出力を行うと・・・
テンプレート通りに作ったのに,テンプレートに従わない原稿の出来上がり♪

そこで,先人の方々はどのように原稿を書いていらっしゃったのかを調べた.
そもそも,投稿原稿作成要領とテンプレートで形式が違うため,
それはそれは大変なことになっていました.
誰一人として同じ形式の人が見当たりません.
何のための形式指定なのかがわかりません.

Wordで論文を書くという行為に,僅か一日で限界を感じていた私は,
その件とこの件を合わせて指導教員である先生にお尋ね申し上げました.
判断できないということで,紀要委員長様の指示を仰ぐことに.
結果.
「テンプレートデータで書いてください。あるいは、Texで書いても良い。」
とのこと.
Wordのテンプレートをベースに投稿原稿作成要領をミックスと判断.
形式がそれっぽく守られていればいいらしいので,TeXで書くことに決定.

早速,Wordに別れを告げて,TeXと感動の再会.
紀要の形式に合うようにスタイルをカスタマイズする.

ベースはjsarticleで,オプションにa4j,9pt,fleqn,twocolumnを指定.
上下左右の余白指定にgeometryパッケージを使用.
最終ページは2段均等に本文を振り分け,下段2段通しの余白を作れという指定なので,
balanceパッケージを使用.
その他,細々とした指定があるので,独自styを適用.

TeXという選択肢がある幸せ.
論理デザインと視覚デザインが分離されていることは,
論文を書くことだけに注力できる集中力に寄与する.

あまり美しいスタイルファイルではありませんが,
TeXで紀要を書きたいという方がいらっしゃいましたら,ご連絡下さい.
喜び勇んで提供いたします.

ぇ?まだWordで論文を書いてるんですか?
TeXを知ったら,あなたの研究者人生は,きっと一変する.