« ブラジャー検定 | メイン | 2007年01月16日の小学校勤務 »

卒研抄録の校閲をした [ 教育, 研究 ]

今日は卒研抄録の研究室内〆切日だった.
前々から調整してあったように,ボスは多忙を極めている(らしい)ので,
ここは僭越ながら私が校閲させていただくことになったのです.

卒研抄録はA4で僅かに1ページだ.
紙面は限られすぎている.
その限られた紙面に,研究成果を書かなくてはならない.
しかも,抄録を書くことは初めてだろう.
研究についてのプレゼンやレポートを行ったことはあっても,
限られた紙面で書くことは初めてだろう.

さて,本日は7テーマの抄録を校閲した.
各テーマとも真っ赤っかになりました.
いや.別に,日頃の恨み辛みを放ってるわけじゃないですよ?

各テーマに共通して言えることだが,抄録のフォーマットが指定されている以上,
指定されたフォーマットは厳守しなくてはならない.
「本文は明朝」と言われたら,明朝体で書かなくてはならない.絶対だ.
指定されていないことに関しては,慣例と常識の中で自由にやっても良い.
しかしながら,指定されている事項に関しては,厳守しなくてはならない.
何のためのフォーマットだと思っているのか.
それとも,フォーマットを読んでいないのか?

図題・表題の記載位置もでたらめ.
図題は図の下.表題は表の上.常識だ.
他の論文を見れば,すぐに分かりそうなものだが・・・

図も推敲されていない.
恐らく,ディスプレイ上で眺めて満足しているのだろう.
推敲するときは,必ず紙媒体に印刷して行わないといけない.
何故か?
ディスプレイ上ではカラーだが,印刷物は得てしてモノクロである.
モノクロ印刷でも見るに耐える図であるか?
しっかりと確認しなくてはならない部分だ.
カラーがモノクロでどう出力されるのかなんて,考えるのが面倒だ.
だから,私は論文に載せる図を常にグレースケールでしか描かない.楽.

あと,これは重要.
「はじめに」と「おわりに(まとめ)」では同じことを書く.
「はじめに」では,
『○○には××の問題がある.
本研究では××の問題を解決するために,
△△による方法を提案する.』
「おわりに」では,「はじめに」を受けて,その結果を書く.
『本研究では××の問題を解決するために,
△△による方法を提案した.
その結果,□□が▽▽なので,××を改善することができた.』
などとなるわけだ.
これがしっかりと噛み合っていない場合,論点がずれていると思われる.
もしくは,故意にすり替えられている可能性がある.
読み手はいつだって,疑って読んでます.
鵜呑みにしないのが,研究者です.

これも重要.
冒頭で「今回,私たちは○○についての××手法を提案した」・・・
過去形で書くと言うことは,それは既に完了しているのです.
その「××手法」について書くのであれば,それは新しいことであり,
誰もが知らないことなのであるからして,これから知られることであり,過去ではない.
なので,「提案する」のであって,「提案した」のではない.
これから紙面を使って,「××手法」について説明するのである.
その結果,「おわりに」で「××手法を提案した」と書けるのだ.
その辺,勘違いしないように.

あとは,各テーマそれぞれ個別に細々とダメだったんだけど,
そういう細かいことは覚えてないので,書けない.
大筋で間違ってるのは,読むに耐えません.
読まれない=評価されない=成績が付かない=卒業できない
その辺のところも,しっかりと考えて書きましょう.

皆様におかれましては,
東大で学んだ卒論の書き方★論文の書き方
を熟読されることをオススメいたします.