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論文で用いるフォント [ 教育, 研究 ]

ほとんど全ての研究班に対し,フォントの指摘を行った.

本文:和文は明朝体,英文はセリフ体
題字:和文はゴシック体,英文はサンセリフ体

これらは恐らく,どの論文であっても共通の執筆要項であると思う.
問題なのは,その書体に対し,どのフォントを用いるかということだ.
私はTeXnicianなので,注視したことがない.
なぜなら,明朝体としてRyumin-Light,ゴシック体としてGothicBBB-Medium,
セリフ体としてTimes-Roman,サンセリフ体としてHelveticaが指定される.
この状態でフォントを埋め込まずに作成されたPDFは,適切なフォントで表示されるわけだ.
例えば,WindowsXPである我がPCでは,
明朝体としてMS 明朝,ゴシック体としてMS ゴシック,
セリフ体としてTimesNewRoman,サンセリフ体としてArialが使われる.
だからこそ,私は何の疑問も持たずに,明朝体・ゴシック体・セリフ体・サンセリフ体といったら,
それらのフォントを指すものだと暗に信じ込んでいた.

だが,校閲結果に対して,卒研生から問い合わせを受けた.
「セリフにCentury,サンセリフにCentury Gothicを使いたいんですが」
Century??と思いながら,TimesNewRomanとArialを使うように指示した.
何故そんなことを訊くのかと思い,Wordを立ち上げた.
それはすぐに分かった.
Wordの英文フォントのデフォルトがCenturyだったのだ.
そして,そのすぐ近くにCentury Gothicがあったのだ.

Wordで文章を書く際に,フォントなんか気にしたことがないので,気付かなかった.
そうか・・・Wordで論文を書く際は,体裁もさることながら,フォントにも留意する必要があるのか.
なんと論文書きに適さないソフトウェアなのだろうか(元々,論文書き用ではない).

さて,では結局どんなフォントを用いればいいのだろうか.
電子文書のデファクトスタンダードであるPDFに変換することを考慮すれば,
日本化学会に示されているフォントに従うのが正しいように感じる.
また,WordでPDFを作る際の注意事項では,Centuryのイタリックに問題があることを指摘している.

というわけで,Windowsで論文を書く際は,
明朝体としてMS 明朝,ゴシック体としてMS ゴシック,
セリフ体としてTimesNewRoman,サンセリフ体としてArial,
を用いるのが適切ではないかと考えます.
なお,MS P明朝とMS Pゴシックを用いるなんて,以ての外ですよ?