« シャア専用ザクとポッキー | メイン | Modern No Guard Tactics »

教員の「教育能力」向上? [ 教育, 記事 ]

asahi.com:教員の教育能力向上研修、全大学に義務づけ 文科省 - 暮らし

ほうほうほう.
文科省は何故こういうことをいけしゃーしゃーと言えるのだろうか.
問題は中央省庁で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!

全国大学生活協同組合連合会の調査(05年、9900人が回答)では、授業に不満を持つ学生は55%。

これは恐らく正しい結果だと思います.
ウチの大学でアンケートを採っても,こうなると思いますよ.
でも,この結果を受けて,

文科省は大学全体の教育力の底上げが必要だと判断

という判断をする理由がわからない.
文科省は学生が授業に不満を持つ原因の全ては,教員にあると考えているわけだな.
やれやれ.

確かに,大学には教員として相応しくない人もいる.
それは大学が最高学府であると共に,研究機関を兼ねているからであると思う.

勉強を教えるだけではダメ.研究もできなくてはならない.

そうなんです.
教育もできて,研究もできる教員ならいいんです.
でも,少なくとも,その2つを同時に満たす教員があまりにも少ない.
少なくともウチの大学においては,研究最優先だろう.
なんでそう考えるかって?
「その分野で社会的に活躍している人」を採用していますからね.
教育なんて二の次ですよ.

この話の結論は,教育に特化しているボクを採用して見ませんか?
研究一辺倒ではなく,教育にも力を入れてみませんか.
っていう大学の問いかけで終わるんだけど,本題はそっちじゃない.

教員に対しても同様のアンケートを採ってみたら如何だろうか.
「あなたの授業を受講する学生に不満はありますか?」
って.
恐らく,受講する学生に不満を持つ教員は,ほぼ100%だと思います.

平然と遅刻をしてくる,しかも言い訳をする.
自分から勉強しようとしない,言われたことは渋々やる.
だから,演習でやった問題の類似問題や発展問題は解けない.
「テストは簡単にしてください」「単位を下さい」「難しすぎます」
こんな受講態度がなってない学生を相手にして,不満がない教員なんていない.

いいですか.
学生が授業に不満を持つことはいいことです.
教員だって完璧ではありませんから,至らない点があるかもしれません.
「黒板の字が小さい」「黒板を消すのが早い」「声が小さい」などなど.
改善することで,授業の質がさらに向上するような不満は吐露すべきでしょう.
しかしながら,肝心なことを忘れてはいけません.
何が不満なのか?
「単位をくれない」「テストが難しい」「出席が厳しい」
「土曜1限はつらい」「寝てると怒られる」「喋ってると怒られる」
「予習復習がめんどくさい」「宿題が多い」
こんなのは問題外ですよ?
学生の不満の大部分って,そんなところでしょ.

文科省はそういう部分をわかっててやっていますか?


蛇足:
大学教員には小中高のような教員免許はありません.
大学教員の質は誰が保証しますか?
大学教員の適正は誰が判断しますか?
ライセンス制にしろとはいいませんが,その辺の評価はハッキリとやるべきです.
研究はすごいけど,授業は下手な先生だっているんです.
そういう先生の授業で,学生は不満を持つんじゃないでしょうか.
そういう研究者的な教員は,ゼミを充実させればいいんだと思います.
普通の学科開講科目に出てこなくたっていいじゃないですか.
そう思いませんか?