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後ろに座る学生は教員に厳しく自分に甘く [ 教育, 記事 ]

asahi.com:後ろに座る学生、教員に厳しく自分に甘く 産能大調べ - 教育

概ね同意できます.
どこに座るかと成績の相関性はかなり高いと思う.
直感的に誰もが感じていると思う.
それを明らかにしたという点は評価できる.
引用しながら,ツッコミながら,エントリー化します.

学生にはICカードを渡し、着席時に座席の端末に載せることで、誰がどこに座ったかがわかる。

本学の計算機室に導入された授業支援ソフトウェアで同等のことができます.
本学でも評価を試みる先生はいないのだろうか・・・
オレがやってしまおうか?

後ろだとスクリーンが見づらいから成績が悪いのか、それとも成績が悪いから後ろに行くのか。分析はこれからだ。

どちらかという問題ではない.
はっきりいって,両方とも原因であり,結果.
つまりは,デフレスパイラル状態.
後ろだからスクリーンが見づらいのは事実だし,成績が悪いから授業に消極的で後ろに行くのも事実.
問題なのは,どちらが先なのかということ.
後ろの席に座るから成績が悪くなるのか.
成績が悪いから後ろに座るのか.

逆説的にいけば,この評価を得たクラスで,座席を完全に反転してみて欲しい.
その結果,成績がどのように変化するのかを突き止めて欲しい.
そうしなくてはならない理由は学力の問題があるからだ.

この記事の落ち度は成績と学力を同じものだと考えていることだ.
「学力=学ぼうとする力」が高い学生は,自ずと前に集まる.
逆に,向学心がない学生は,自然と後ろに集まる.
この傾向は経験的に明らかではないだろうか.
つまり,この記事の落ち度は,座る席と成績を直結させているが,その間には学力が関与しているはずだ.
前の席に座る→学力が高い(向学心がある)→勉強をする→成績がよい
後ろの席に座る→学力が低い(向学心がない)→勉強をしない→成績が悪い

サンプル数は少ないが,ほぼ100%的中する話をします.
中間試験は正式な試験ではないので,遅刻者が比較的多い.舐められている.
既に試験は始まっているので,遅刻者は空いてる席に速やかに着席し,受験する.
通常ならば,教室の前から入るので,前の方の席に座るわけだ.
だがしかし,毎回遅刻する学生や演習を真面目にやっていない学生は,
試験に遅刻してきたにもかかわらず,後ろの方の席に座りに行くのだ.
混んでるのに.前が空いてるのに.
私は,学力(=学ぼうとする力)と座る席には強い相関性があると感じています.
統計データはありませんが,経験的にそう感じます.

分かりやすい講義をするために調査を始めた松村教授は「(後ろに座るのは)自分が教員から見えづらいよう、少しでも長い距離を取りたいのかもしれない。でも、見え方は同じなんですがね」と話している。

事実です.
学生は教員がどのような視点で授業を行っているのかを知るべきです.
教壇からの眺めは素晴らしいですよ.
授業に関係ないことをしてる人なんて,一目瞭然です.
マンガを読んでる人なんて,一瞬で分かります.
教科書はそんなに早く読めませんし,そんなに真面目に読みません.目が真剣すぎ.
集団の中で違うことをしている人はすぐに分かります.
木を隠すなら森.
正に,その言葉通りです.目立ちすぎ.

教員に対する評価の話ですが,これは大條先生が既に評価しています.
授業評価アンケートの結果と成績を評価したもの.
アンケート内容は授業の進め方・やり方がどうであるかといったこと.
成績が良い学生は「分かりやすい」「よく理解できる」と回答しているのに対し,
成績が悪い学生は「わかりにくい」「説明がわからない」等と回答している.
しかも,この相関関係はかなり強い.

なお,一部反論があります.
前に座ればいいというものではありません.
私は絶対に1番前には座りません.
あんな受講効率の悪い劣悪な席には座りません.
最適な受講ポジションについては,既に書いているので,ご参照下さい

ところで,私が教員だったら,まず間違いなくこういうだろう.
「なるべく前の方に座って下さい.前が空いてるのに後ろに座る人は向学心がないものと見なします」


200705061208追記:
スラッシュドット ジャパン | 後方に座る学生は成績が悪い